キシリトールのお話

「キシリトール入り」
「キシリトール配合」
など、「キシリトール」というものを最近よく目にするようになりました。

私たちが子どもの頃にはなかったもののひとつですよね。
甘味料なのに、
「むし歯にならない」
「むし歯予防に役立つ」
として注目を集めています。
最近のお菓子には、キシリトールが使われているものが増えていますよね。

キシリトールは、多くの果実や野菜の中に天然で含まれる自然の甘味料なんです。
私たちが日ごろ口にしている食べ物にもキシリトールは含まれていたりします。
例えば、イチゴです。
乾燥したイチゴ１００ｇ中に約３００ｍｇのキシリトールが含まれているんです。
また、人の身体の中でも作られていて、肝臓で１日あたり約１５ｇのキシリトールが作られています。
ガムやタブレットで私たちが口にしているキシリトールは、白樺などの木からとれる成分を原料に作られています。
日本では、１９９７年４月に食品添加物として認可されました。
ただ、その１０年以上前から点滴の成分に利用されており、人体に安全な成分として知られていました。
アメリカでは、「１日にどれだけでも摂取して良い」食品として扱われています。
キシリトールが「むし歯予防に効果的」とされる理由は、主に２つあります。
１つは「むし歯の原因にならない」ことです。
キシリトールは、お口の中でむし歯の原因となる「酸」をまったく作りません。
さらには、酸の中和を促進する働きも持っています。
唾液を出やすくする効果もあるなど、お口の中をむし歯になりにくい状態に保ってくれます。
もう１つは「むし歯の発生、進行を防ぐ」という効果です。
むし歯の原因となるプラーク（歯垢）をつきにくくし、歯の再石灰化を促します。
さらに、ミュータンス菌（むし歯の原因菌）の活動を弱める働きを持っています。
このむし歯原因菌への働きは、他の甘味料には見られないキシリトールだけの効果です。

ここまでで、キシリトールがむし歯予防に効果的な甘味料であることをよく分かってもらえたと思います。
ただし、キシリトールがあれば、それだけでむし歯を防げるわけではありません。
歯をむし歯から守るために正しい歯みがきが大事なことは言うまでもありません。
キシリトールは、
「プラークを剥がれやすくし、歯みがきの効果を上げる」
「フッ素と一緒になってより歯を硬くする」
など、普段のむし歯予防に加えることで大きな効果を発揮します。
キシリトールを毎日の習慣にプラスして、むし歯を予防していきましょう！