80歳からのデンタルケア
2016/03/23
人間の一生を巡りながらお話してきた「世代別デンタルケアのお話」ですが、今回が最終回『80歳からのデンタルケア』がテーマです。
ところで、日本人は80歳を迎えたときに、平均してどのくらい自分の歯が残っていると思いますか?
平成23年の調査では、平均的な残存歯数は約14本です。
一方で、8020達成者(80歳までご自身の歯を20本以上保てている方)は38.3%いらっしゃいます。
このように見ていただくと、個々人にかなりのバラつきがあることがご理解いただけると思います。
ひとつ、興味深いデータがあります。80歳以上の方を対象にした統計分析(「健康日本21中間評価報告書」など)のレポートです。
これによれば、歯を失っている数が少なく、よく噛んで食べている人ほど生活の質が高い、つまり人間らしい生活を送り、生活に「幸福」を感じている方が多いと分かっています。
また、身体的な能力にも差が出ていて、歯を失っている数が少ない人ほど、運動・活動能力が高く、目もよく見え、耳もよく聞こえることが明らかになっています。
高齢になっても、歯の喪失数が10本以下であれば(ご自身の歯を20本程度保てていれば)、食生活に大きな支障を感じることはありません。
おせんべいやたくあんのようなある程度硬いものでも、肉でも魚でも野菜でも、お好きなものをお好きなだけ楽しむことができます。
国を挙げて『8020運動』を提唱しているのには、そういう理由があるのです。
親戚一同が集まって会食をするような機会があったときに、「かたくて食べることができないなぁ…」なんて言葉を聞くと、とっても淋しい気持ちになります。
本当は、年齢を重ねれば重ねるほど、食事を楽しんでいただきたいと思うのです。
80歳で20本を目標に、もし既に20本は残っていないという方はこれ以上歯を失わないように、しっかりとケア(予防)に取り組んでいきましょう!
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