幼稚園期のデンタルケア~世代別デンタルケアのお話~
今回は、4~6歳の幼稚園期のお話をします。
3歳頃までは「保護者みがき」を行い親御さんが歯をみがいてあげますが、幼稚園にあがる頃からは
子ども用の歯ブラシを使ってお子さん自身が自分でみがいて、その後に親御さんがみがいてあげる
「仕上げみがき」を行いましょう。
幼稚園期の前半は、乳歯も生え揃ってきます。
「乳歯はむし歯になりやすい」と言われますが、まだまだひとりで十分な歯みがきをできる年齢ではありませんので、親御さんが一緒にサポートしてあげることが重要です。
幼稚園期の後半には“6歳臼歯”も生え、いよいよ永久歯へと生え変わる時期を迎えてきますから、それまでの間に“毎日、自分で歯をみがく”習慣を身につけていきましょう。
毎日の歯みがきをしっかりと習慣化しつつ、お子さんがしっかりと歯をみがけるになる小学校3年生頃までは“仕上げみがき”を続けるのが理想です。
仕上げみがきは、「保護者みがき」と同様に、歯ブラシを鉛筆の持ち方で軽く握って、指先で細かくコントロールしながら、みがきます。
奥歯までしっかりと届くように、小さめのヘッドの歯ブラシを使いましょう。
保護者みがきの頃と違って、頭をひざに乗せてみがくことを嫌がるお子さんもいると思います。
もし、お子さんが寝た姿勢でみがかれることを嫌がった場合には、立った姿勢でお子さんの背後から手を回すというのもひとつの方法です。
お子さんが嫌がらない体勢で、みがいてあげるようにしましょう。
特に、
◆歯と歯肉(歯ぐき)の境い目
◆歯と歯の間
◆奥歯の噛み合わせ
など、むし歯になりやすい部分には十分に注意してあげてください。
また、“6歳臼歯”は上下の噛み合わせを決める重要な歯です。
この歯は絶対にむし歯にしないように、必ずみがき残しのチェック、仕上げみがきをしてあげてください。
親御さんの仕上げみがきをしながら、
◆歯の表面が白くなっていないか
◆黒くシミになっていないか
◆歯の溝が黄色くなっていないか
など、しっかり観察してください。
このような兆候は、むし歯の始まりです。
見つけた場合には、早めに歯科医院を受診してくださいね。
特に、乳歯のむし歯は進行が早く、気がついたときには神経近くまで進行してしまっていることも少なくありません。
ですから、何でもないと思っていても定期的に健診を受けて、歯とお口の状態を健康に保ってあげるようにしてください。
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「世代別デンタルケアのお話」バックナンバー」
第1回 乳幼児期のむし歯予防(1)
第2回 乳幼児期のむし歯予防(2)
第3回 乳幼児期のむし歯予防(3)
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