乳幼児期のむし歯予防(1)
人間の歯は、一生涯使っていく大切なものです。
身体の機能を維持するために、そして健康で豊かに生きていくために、食事を欠かすことはできません。
その根底を支えているのが、歯やお口の健康状態です。
また、歯は一度失ってしまうと、もう二度と元の状態に戻すことができないものでもありますから、皆さんに健康なお口の状態を守っていってもらいたいですし、できるだけ早いうちからむし歯にならない習慣も身に着けて欲しいと思っています。
そこで、今回から人間の歯の一生をめぐりながら、世代ごとのデンタルケアや注意点をお話したいと思います。
ご家族みなさんで歯とお口の健康を守ることは、結果として『お子さんの歯とお口の健康を守ること』につながります。
※その理由は、バックナンバー『子どもたちのむし歯はどこからやってくる?』をご覧下さい。
時には、ご自身の年代とは関係の無いお話もあるかも知れませんが、お役に立ちそうな部分はぜひご家族の皆さんにも教えてあげてくださいね。
まずは、0~3歳の乳幼児期のむし歯予防対策のお話です。
一度にはすべてをお伝えしきれないので、何回かに分けてお話していこうと思います。
乳幼児期というのは、基本的な歯の衛生習慣を身につける時期で、保護者の方がむし歯予防の大切な役割を担います。
乳歯は、単に食べるために必要なだけではなく、赤ちゃんの顎や顔の発達を刺激したり、下から生えてくる永久歯の場所を確保するなど、さまざまな役割を持つ重要な歯です。
例えば、事故やむし歯などで早い時期に乳歯を失ってしまうと、永久歯が密集して生えてくるなど、歯並びに影響を与えることもありえます。
このように、乳歯の健康は歯並びや顔の発達にも影響しますので、一生涯の健康状態に影響すると言っても決して過言ではありません。
ですから、保護者の方はしっかりとむし歯予防対策をして、お子さんの歯を守ってあげてくださいね。
日本の現状としては、乳歯のむし歯は昔に比べると減ってきていますが、それでも3歳児の2割にむし歯があるという調査結果があります。
また、乳歯のむし歯は、他の歯にも広がりやすい傾向があるので、そう意味でも注意が必要です。
次回は、赤ちゃんに歯が生え始めたところからの具体的なケアについてお話をしていこうと思います。
今回は概念的なお話ばかりになってしまいましたが、とても大切な時期のお話になるので、じっくりと確認しておきたいと思います。
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