心の健康と歯周病の関係
2017/03/19
歯周病がさまざまな全身疾患と関係があることは、広く知られるようになりました。
糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、低体重児出産、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症など・・・さまざまな病気との関係が分かっています。
そして、近年の研究では、「うつ病」との関係が明らかになってきました。
◆ なぜ歯周病が全身疾患と関係するのか?
歯周病の原因となるのは、細菌の塊である歯垢(プラーク)です。
これらの細菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、痛みや腫れなどの症状が現れます。
全身疾患と関係するのは、これらの細菌がお口の中で発生しているということ。
細菌が口から体内へ侵入し、血流に乗って全身に広がっていくため、身体中で起こるさまざまな病気と関係してくるわけです。
◆ なぜ心にも影響するの?
実は、この歯周病菌が腸に入ると、腸内の細菌バランスが変化するという動物実験のデータがあります。
つまり、歯周病菌が腸内環境を悪化させるリスクが高いということ。
では、これがなぜ「心の健康」や「うつ病」と関係しているのか?
それは、人間の感情に作用する脳内の神経伝達物質の多くは、腸内で作られているからです。
「幸せホルモン」と呼ばれているセロトニンも、そのひとつです。
腸内環境が悪化し、細菌バランスが変化することで、セロトニンなど腸内の神経物質の生成が低下します。
セロトニン不足に陥ることで、イライラ、不安、怒りっぽいなどの情緒不安定を招くと考えられているのです。
幸せな気持ちで生活するためにも、歯周病の予防は大切ですね!
歯周病予防の基本は、毎日の歯みがき+定期的な歯科医院でのクリーニングです!
歯周病は、初期段階では自覚症状がほとんどない病気ですから、定期的な歯科医院でのチェックを欠かさないようにしましょう!
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