治療したからもう大丈夫?
2016/05/21
「治療した歯だからむし歯にはならないですよね?」と質問されることがあります。

実は・・・有りえることなんです!
治療した歯に再発したむし歯は『二次う蝕』(にじうしょく)と呼ばれています。
過去に治療した詰め物やかぶせ物の周りから発生するむし歯のことです。

詰め物やかぶせ物の周りには、土台となるご自身の歯との接合部分にどうしてもすき間が生まれてしまいます。
すき間ができるということは、その部分には細菌の塊であるプラーク(歯垢)がたまりやすくなります。
つまり、詰め物や被せ物の周りにできたすき間から、むし歯の原因となる細菌が入り込んでいって、むし歯をつくるのです。

歯がしみる、痛みが出たなど、気が付く方もいますが、詰め物やかぶせ物の陰に隠れて進行しているため、なかなか発見しにくいという特徴があります。
特に、神経を取った歯は痛みを感じないため、発見が遅くなり、治療に時間がかかるケースがよく見られます。
ですから、「治療をしたから、これで大丈夫」と油断せずに、治療後のケアをそれまで以上にしっかり取り組む必要があります。

まずは、毎日の歯みがきでプラーク(歯垢)をしっかり除去することです。
詰め物の周りやかぶせ物と歯ぐきの接する部分には歯ブラシの毛先をしっかり当てて、みがくようにしましょう。
また、歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくいので、デンタルフロスや歯間ブラシといった歯間清掃用具も活用しましょう。

そして、定期的に歯科医院でメインテナンス(チェックとクリーニング)を受けることです。
一度むし歯になった場所だからこそ、治療後のケアには今まで以上に気を配っていきましょう。
関連記事
-
-
「酸蝕症」をご存知ですか?
近ごろ「酸蝕症」の症状を訴える患者さんが増えています。 初めて耳にする方もいらっ …
-
かみ合わせは定期的にチェック
「かみ合わせ」と聞くと、「歯並びの治療」とか、「矯正の話かな」と思われる方が多い …
-
-
口内炎のお話
口内炎で悩まされた経験は、どなたにもあると思います。 食事中に誤って口の中を噛ん …
-
-
歯の病気が心臓疾患の原因に!?
近年の研究で、「歯とお口の健康状態は、全身の健康と大いに関わりがある」ということ …
-
-
入れ歯のお手入れ、お忘れなく!
毎日歯みがきをするように、入れ歯も日々お手入れが必要です。 むし歯の原因となるプ …
-
-
世代別!歯のみがき方ポイント!
乳幼児期、思春期、青年期、そして高齢期。 年を重ねると共に成長し、ライフスタイル …
-
-
今日から目指そう「8020」!
生涯自分の歯で食べたいという思いは誰もがお持ちでしょう。 平成元年に厚生省(当時 …
-
-
「歯ぎしり」をセルフチェックしてみよう!
寝ている間にギリギリと歯をこすりあわせる「歯ぎしり」 歯ぎしりはその力も強く、起 …
-
-
噛む習慣を考え直そう!
ガムを噛む人が減っているそうです。 全日本菓子協会の調べによると、少子化が進み、 …
-
-
赤ちゃんの指しゃぶりと歯並び
子育ては気になる事がたくさんありますよね。 その中の一つとして「なかなかやめれな …
- PREV
- 歯みがき+αのセルフケア
- NEXT
- LINE@ vol.122
