「酸蝕症」をご存知ですか?
2016/08/26
近ごろ「酸蝕症」の症状を訴える患者さんが増えています。
初めて耳にする方もいらっしゃるとは思いますが、以前はガラス細工工場やメッキ工業など、日常的に硝酸や塩酸に接する職業の人に多くみられた病気です。
ところが、近年は若年層から高齢層まで幅広くみられるようになってきました。
原因は何でしょう?
酸蝕症の原因は、
・スポーツドリンクや炭酸飲料などの清涼飲料水
・レモン酎ハイやワイン、ビールなどアルコールの多量摂取
・逆流性食道炎による胃酸の影響
・ビタミン剤やアスピリンなどの酸性の薬剤
・柑橘系の果汁
・健康増進のために毎日摂取している黒酢やクエン酸
などがあります。
このように「酸」が影響する病気であるため、口腔ケアを怠った結果おこるものではなく、充分にケアしている人にもおこりえます。
つまり、誰もが「酸蝕症」になる可能性があるということです。
柑橘系の物や飲料をダラダラ食べたり、長時間飲んだりしていませんか?
どんな症状が出るの?
酸蝕症は、酸によって歯が薄く弱くなっていくため、
・歯が透ける
・歯がしみる
・ものを噛んだ時に痛みが出る
・歯が割れる
といった症状が出ます。
(酸蝕歯の中期症状である「歯の先端」が透けた状態)
また、ある日突然、酸蝕症になるものではありません。
日頃の生活習慣や食習慣によって、少しずつ歯が酸に侵されていって、歯の再石灰化(自己修復機能)が追いつかなくなると少しずつ歯が溶かされ、酸蝕症を発症します。
まずは食習慣を見直すことが大事!予防法は??
酸蝕症の予防には、「食習慣」を見直し、「摂取後のケア」を欠かさないことです。
・スポーツドリンクや酸性の強いアルコールなどを摂りすぎない(量も時間も)
・酸性飲料を飲んだら、口をすすぐ
・食後は口をゆすぎ、デンタルフロスを使って、やさしく歯と歯の間のケアをする。
出典:日補綴会誌7巻2号(2015)
また、酸蝕症は初期段階では自覚しにくい病気ですから、定期的な歯科健診も受けましょう!
もし心配な部分があれば、当院までご相談ください。
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