キシリトールでむし歯にならないのですか?
2015/10/24
もうすっかりおなじみの言葉になりつつある『キシリトール』
どんなものかご存知ですか?
今回は、キシリトールについてお話します。
まずは、キシリトールがどんなものなのかをお話しましょう。
キシリトールとは、むし歯の原因となる酸を作らない糖アルコールの一種で、シラカバ・カシなどの樹木や植物から作られる天然素材甘味料です。
砂糖と同じぐらいの甘さがありますが、カロリーはやや少なめ(砂糖の約75%)で、スッとしたさわやかな清涼感が特徴です。
食事をすると、お口の中は細菌のつくる酸などによって酸性になり、歯のカルシウムが溶け出します。
これを中和するのが唾液ですが、キシリトールは唾液の働きを助け、歯の再石灰化(溶かされた歯の表面を修復する作用)を促します。
これは、唾液に含まれるカルシウム・リン酸が歯を強くしてくれるからです。
では、キシリトールが配合されていれば何でも良いのか・・・というとそういうわけでもないのです。
キシリトールの効果を上げるために大切なポイントが3つあります。
1.キシリトール50%以上の表示があること。
栄養成分表示で、糖質とキシリトールの割合を確認しましょう!(ちなみに、歯科医院で販売されているものはキシリトール100%配合です。)
2.シュガーレスの表示がある。(糖類0gを選ぶ)
ソルビトール・マルチトール・マンニトールなどは低酸産生性の甘味料です。(ちなみに、キシリトールは無酸産生性の甘味料です。)
3.ガムか錠菓(アメ・タブレット状)であること。
ソフトキャンディや飲料水ではむし歯予防効果は期待できません。
むし歯予防に効果的なキシリトールですが、キシリトールを口にしていればむし歯にならないと考えるのは間違いなので、気をつけましょう。
なぜなら、歯垢(プラーク)は基本的には歯みがきをしなければ減少しないからです。
キシリトールは、あくまでも補助食品として考えましょう。
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